講演会記録 信田さよ子氏 「今、家族はどうなっているのか」

12/1 目白大学心理カウンセリングセンター公開講座の記録

「今、家族はどうなっているのか」信田さよ子

 

流れ 第一期 1970年台フェミニストの論考(フロイト批判)

           第二期 1996~ ACブーム

   第三期 2008 母娘問題幕開け

   第四期 当事者本続々 (毒母)

 

キーワード 

 ロマンチック・ラブ・イデオロギー(愛したら結婚してその人の子供を産む)

 母を支える娘

 母の病や死を賭した脅しで拘束される娘

 イネーブラーenabler

  

どうすればよいか・・・距離をとる、離れる、逃げる

 

いったん離れることの意味  

 母から距離をとることで、パワーとエネルギーを備蓄する。そのためにはよき理解者、援助者、仲間が必須。(夫、友人、カウンセラー、グループ)。不意の、偶然の、計画された再会に備える

 

同居しながら距離をとる方法

 あいさつを欠かさない。

 丁寧語を使う

 いちいち母の同意をとらないでよい

 「冷たい」「他人行儀」と言われたら上等

 

母への期待は断念すること

 ☓わかってもらいたい ☓変わってもらいたい ☓謝ってもらいたい

 ☓すべて無理(例外はある)

 

母を研究することで母から解放される 

 被害者の回復とは加害者を糾弾して憎むことではない。被害者の当事者研究は加害者研究である(ソーシャルマジョリティ研究)。メタ視点の獲得(歴史・社会的視点)。

 

研究とは関心と疑問(謎解き)である

 母はどんな人なのだろう。どんな青春時代を送ったのだろう。なぜあのような生き方しかできなかったのだろう。

 

共依存は依存ではなく支配である

 愛情という名の支配。あなたのためにという言葉を利用。ケア、世話、愛情という無敵の価値観を利用。反論、抵抗を封じる

 

疑わなければ見えない 

 とらえる側の認知によって見え方が変わる

 あるはずがないと思っていると見えない

 家族における暴力・支配を見据える

 家族における加害、被害(利益相反、生命危機)

 愛情という名のソフトな支配