講演会記録 信田さよ子氏 「今、家族はどうなっているのか」
「今、家族はどうなっているのか」信田さよ子
流れ 第一期 1970年台フェミニストの論考(フロイト批判)
第二期 1996~ ACブーム
第三期 2008 母娘問題幕開け
第四期 当事者本続々 (毒母)
キーワード
ロマンチック・ラブ・イデオロギー(愛したら結婚してその人の子供を産む)
母を支える娘
母の病や死を賭した脅しで拘束される娘
イネーブラーenabler
どうすればよいか・・・距離をとる、離れる、逃げる
いったん離れることの意味
母から距離をとることで、パワーとエネルギーを備蓄する。そのためにはよき理解者、援助者、仲間が必須。(夫、友人、カウンセラー、グループ)。不意の、偶然の、計画された再会に備える
同居しながら距離をとる方法
あいさつを欠かさない。
丁寧語を使う
いちいち母の同意をとらないでよい
「冷たい」「他人行儀」と言われたら上等
母への期待は断念すること
☓わかってもらいたい ☓変わってもらいたい ☓謝ってもらいたい
☓すべて無理(例外はある)
母を研究することで母から解放される
被害者の回復とは加害者を糾弾して憎むことではない。被害者の当事者研究は加害者研究である(ソーシャルマジョリティ研究)。メタ視点の獲得(歴史・社会的視点)。
研究とは関心と疑問(謎解き)である
母はどんな人なのだろう。どんな青春時代を送ったのだろう。なぜあのような生き方しかできなかったのだろう。
共依存は依存ではなく支配である
愛情という名の支配。あなたのためにという言葉を利用。ケア、世話、愛情という無敵の価値観を利用。反論、抵抗を封じる
疑わなければ見えない
とらえる側の認知によって見え方が変わる
あるはずがないと思っていると見えない
家族における暴力・支配を見据える
家族における加害、被害(利益相反、生命危機)
愛情という名のソフトな支配