すずろメンタルクリニック ブログより 10/29
摂食障害で生活に支障が出て、思うように働けない方にとって
自立の問題は自分が苦しくなることの一つです。
ただし、自立している人というのはうまく他に依存している人でもあります。
上記ブログによれば、
自立 independence【in - dependence】
【in】は「否定」、【dependence】は「依存」
原義は「依存しないで生きていく」です。
つまり、誰にも援助されず依存せず、独立していることとされています。
自律 autonomy【auto - nomy】
【auto】は「自分」、【nomy】は【nomos】つまり「法」「ルール」
原義は「自分のルールで生きていく」です。
つまり、誰にも影響されずに自分のルールに従って意思決定する能力であるとされています。
なので、自律なくして自立はありません。自律はより基礎的な能力で、自律できるようになって初めて自立が達成されるハズです。
ですが、しばしば自立と自律がごっちゃになっていて、自律もできていないうちから性急に自立が強調されたりすることが多いように思われます。しばしば子どもの頃から「他人に依存せずに自立を目指すべき」と言われたりしますが、これにはいろいろな問題があります。
摂食障害の治療で問題の根が密着した家族関係にある場合などは、いったん距離をとる方法をすすめられることもありますが、以前ほど無理に一人暮らしをさせたりというようなことは最近は聞きません。自活していても摂食障害の問題を抱えている方はたくさんいらっしゃると思います。必ずしも摂食障害と自立が関係あるとは思いません。
引きこもりの問題と同様に、目標を就職などにおくのではなく、自分がしたいこと、したくないことを自覚し、自らが選択できるようになれればよいのではと思います。