2018 アル薬依存症学会メモ(大分大学?) 12ステップとウェルビーイング

12ステッププログラム

 ルール 自分のことを話す、意見感想を述べない、秘密を守る

スポンサーシップ 経験の長いものが一対一で回復を手助け

ハイヤーパワー 各々が理解する人の力を超えた大きな力

スピリチュアルな成長 自分より偉大な力への気付きと依存症からの回復に十分な人格の変化が様々な形で現れるのを意味する。しかし、スピリチュアルな成長については実証的な研究がなく、不明確である

 

ポジティブ心理学「精神病理や障害に焦点を絞るのではなく、楽観主義やポジティブな人間の機能を強調する心理学の取り組み」

  • Psychological Well-being(PWB) 人生全般にわたるポジティブな心理的機能について研究されている。成人全般にわたる多様な心理的変化を捉えるのに適しており、さらに危機への挑戦による成長や発達の心理的様相を示す
  • 心理的強みを発揮することが研究されている 人間に共通のポジティブな特性:人が活躍したり最善を尽くすことを可能にさせるような特性

 

人間に共通の心理的強みと12ステップのMeetingテーマが類似

 心理的強み(親切、勇敢、誠実性、愛する力、自己コントロール、思慮深さ、謙虚、感謝、希望、楽観性、精神性、関大、ユーモア、好奇心、興味、判断)

 Meetingテーマ(親切、勇気、責任、愛、自制、感謝、希望、気楽にいこう、宗教、許す、ユーモア、決断)

 

Psychological Well-Being と12ステップの類似

 PWBSの下位因子(人格的成長、人生における目的、自律性、環境制御力、自己受容、積極的な他者関係)

 12ステップ実践の結果(人格的成長、良く生きることの喜び、精神的強さと平和、自制、飲まない生き方、欠点を認め受け入れる、自己吟味と自分自身との和解、正しい人間関係を学び人間関係を修復や改善)

 

研究方法 依存症と診断されている52名 対象群12ステップに現在参加中24名 統制群 現在参加していない24名

 

材料 フェイスシート、心理的ウェルビーイング尺度短縮版(PWBS)、日本語版強み活用感尺度(SUS)

 

考察2 12ステップ参加群の方が非参加群よりPWBSが高い(精神的に良好)。PWBS下位因子の人格的成長、人生における目的、自己受容、環境制御力の得点が12ステップ参加群の方が非参加群より高い(有意差)

 

考察3 SUS得点有意差なし

 ※12ステップでは「無力を認めゆだねる」ことが身につくため、質問の「自分が」という言葉に違和感を覚えた可能性あり

課題と展望:略