「食を拒む・食に溺れる心」Ⅱ 香山雪彦

 

食を拒む・食に溺れる心〈2〉生きづらさと依存からの回復

食を拒む・食に溺れる心〈2〉生きづらさと依存からの回復

 

 先日の日本摂食障害学会で、特に発言に感心を惹かれたのが香山雪彦先生でした。

発表ではなく質疑応答の場面でしたが、2度の発言を聞いて自助グループに長年関わっている専門家ならではの内容でした。診察室だけではない摂食障害者のその後の姿までみているからだろうと思われるものでした。

この病気になるのは本人の資質だけでなく、家族や社会・時代の雰囲気まで様々な影響があり、環境の変化でよくなることもあるけれど、結局は困っている当事者自身のなんらかの変化が必要なことは多いです。

この本では安心感(ここにいていい、生きていていい)のことを繰り返し述べられています。生き延びて一喜一憂せず試行錯誤していれば、いつか安心している自分に気づくかもしれません。