摂食障害のハームリダクション

ハーム・リダクション - Wikipedia

 

薬物などの依存症対策として耳にすることの増えたharm reduction (harm : 害 , reduction : 低下、縮小)とは、「健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策」(wikipediaより)です。

 

具体的には、薬物依存の場合だと静脈注射使用者に対する注射針交換プログラム英語版、薬物使用救命キットの配布、薬物使用室の設置 オピオイド置換療法(薬物の注射の代わりに、代替の薬を経口で投与)、ヘルスケアの提供、使用者へのエンパワーメントなどになます。 

 

考えれば、摂食障害の標準の治療そのものがすでにハームリダクションのようにも見えます。

 ・不足する栄養の摂取

 ・緊急時の身体管理

 ・食べ物を使わなくても人間関係をやっていけるためのスキル(エンパワーメント)

 

 

 その他、当事者自らができるハームリダクションを考えてみました。

 

 ・身体面の不調は、精神科だけでなく内科でも相談

 ・歯医者に行く(過食、嘔吐で歯にダメージ)

   ・精神科にかかってみる(薬で摂食障害が治るわけではないけれど、助けになることはあります)

 ・身の回りのこと、学校、仕事など、摂食障害をやりながらもできることは少しでもやっておく。(小さなことでも、できたことを重ねることで自己評価が下がるのを防ぐ)

  ・見ると具合が悪くなるものを避ける(ダイエット情報、体重計、計り(食物用)、カロリー本、鏡、やせた身体用の服など)

 ・チューブや嘔吐など排出後は、スポーツドリンク等を摂る。(脱水、電解質異常は心臓や腎臓に影響があります)

  ・長時間の空腹を避ける(それができないから摂食障害なんだという方もいるでしょうが)   飢餓状態は摂食障害の身体・思考にとって害です。

・食べられる、食べていいものを用意しておく。(迷うことを避ける、用意したものは食べてよいのだと意識する、予定外の散財や窃盗を避ける)

 

 

主に身体面を考えてみましたが、エンパワーメントの面は限りなくある、というかそれ自体が治療とも言えますね。